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2025.10.09.

【仙台の工場塗装事例】キュービクルに遮熱塗装を行い温度比較を実施しました

近年の猛暑は工場設備にとっても大きな負担となっており、温度上昇による効率低下や設備劣化を心配される方も少なくありません。

今回ご紹介するのは、工場敷地内のキュービクルに実際に遮熱塗装を行い、施工前と施工後でどのような温度差が生まれるのかを確認したテスト施工の様子です。

本記事では、施工の流れや測定結果を写真とあわせて詳しくご紹介いたします。工場の暑さ対策や省エネ・設備保護に関心をお持ちの方にとって、今後の検討材料として少しでもお役立ていただければ幸いです。

1.はじめに|工場設備と夏場の温度上昇の課題

2.テスト施工の目的

3.施工工程と使用した塗料

4.温度比較の結果

5.まとめ|工場塗装で快適性と効率性を向上

工場の敷地には、電気を安定して供給するためのキュービクル(高圧受電設備)が設置されています。これらは常に屋外にあるため、直射日光や風雨を直接受け、夏場には表面温度が非常に高くなることがあります。
特に仙台を含む東北地方は、夏は猛暑、冬は積雪や凍結と、気候の寒暖差が大きい地域です。そのため、設備にかかる負担は決して小さくありません。

今回は、工場ご担当者様から「実際に温度差を確認してみたい」とのご依頼をいただき、キュービクルの一部に遮熱塗装を施すテスト施工を行いました。

ご依頼の背景には、夏場にキュービクルの温度上昇が気になり、遮熱塗装でどの程度改善できるのかを確認したいというご要望がありました。
そこで今回は、「塗装前と塗装後でどのくらい温度差が生まれるのか」を数値で比較することを目的に、試験的に施工を実施しました。

遮熱性のある塗装を施すことで表面温度が抑えられれば、内部機器への負担を軽減し、設備寿命の延長や省エネ効果につながることが期待できます。

今回のテスト施工では、工場敷地内のキュービクルの一部を対象に遮熱塗装を実施しました。施工箇所は直射日光を受けやすく、温度上昇の影響を最も受けやすい部分を選定しています。
作業ではまず既存の表面状態を確認し、錆や汚れを丁寧に除去してから塗料の密着性を高める下地処理を行いました。そのうえで、遮熱性能を持つ専用塗料を重ね塗りし、温度上昇を抑える仕上げを施しています。
具体的な工程は以下の通りです。

下塗り

今回はアステックペイントの『シャネツトップワン』という塗料を使用しました。

この塗料は遮熱性・耐候性・防錆性・作業性・付着性・工期の短縮という上塗材・下塗材に求められる機能を同時に発揮する錆止め兼用上塗材です。

詳しくはこちら: アステックペイント公式サイト「シャネツトップワン」製品ページ

上塗り

遮熱性能を持つ塗料を2回に分けて塗布しました。ムラが出ないよう丁寧に施工し、日射反射率を高めることで温度上昇を抑える仕上がりとしました。

実際の施工では、均一に塗布できるよう細部まで確認しながら慎重に作業を進めています。塗料の厚みや仕上がりにムラが出ないよう丁寧に塗り重ねることで、遮熱効果をしっかりと発揮できる塗膜を形成しています。

施工後は非接触型温度計とサーモカメラを用いて、キュービクル表面の温度を測定しました。
まず、遮熱塗装を施したキュービクル未施工のキュービクルを比較したところ、表面温度には明確な差が見られました。

【遮熱塗装を施したキュービクル】 46.3℃

【未施工のキュービクル】59.5℃

施工済みの箇所では46.3℃、未施工の箇所では59.5℃と、約13.2℃の温度差が確認されました。

この差は写真からも明らかなように、赤外線で見ると未施工部分は真っ赤に表示されている一方、施工済み部分は温度が抑えられていることがわかります。遮熱塗装がしっかりと効果を発揮していることを実証できる結果となりました。

続いて、下塗り後と上塗り後において、時間の経過に合わせて表面温度を測定したところ以下のような変化が確認されました。

【下塗り前 表面温度】 10:37  44.1℃

測定開始時の表面温度は44.1℃。直射日光を受けており、触れると熱さを感じる状態でした。

【下塗り後 表面温度】 12:01  36.7℃

下塗り完了時には36.7℃まで低下。下塗り自体には遮熱効果は大きくありませんが、表面が整ったことで温度が安定し始めている様子が見られました。

【下塗り後 表面温度】13:01  36.2℃

1時間後も36.2℃と安定しており、大きな温度上昇は見られませんでした。

【上塗り後 表面温度】 14:00 36.4℃

上塗りを施した直後も36.4℃と落ち着いた数値を示し、遮熱塗料の効果が反映されていることが確認できます。

【上塗り後 表面温度】 15:00  36.5℃

施工から1時間経過しても36.5℃を維持しており、時間の経過とともに安定した遮熱効果を発揮していることが分かります。

最終的には、施工前と比較して約8℃程度の温度差が生まれ、遮熱塗装による効果が数値として明確に示されました。時間が経過しても温度が大きく上がらない点は、工場設備の安定稼働において大きなメリットといえます。

工場設備に遮熱塗装を行うメリットは多岐にわたります。まず、内部機器の発熱と外気温の上昇が重なることで生じやすいトラブルを防ぎ、温度上昇を抑制できる点が大きな特徴です。

また、温度変化が穏やかになることで部品や配線の劣化スピードを抑え、設備の寿命延長にもつながります。さらに、空調効率が改善されることによって工場全体の電力消費を削減できるため、省エネ効果も期待できます。加えて、塗装によって外観が整うことで工場全体の美観も向上し、景観維持の面でも効果を発揮します。

今回のテスト施工を通じ、遮熱塗装による温度低減効果が数値として確認できました。工場におけるキュービクルや機械設備は、日々の稼働を支える大切な役割を担っています。その安定稼働と長寿命化のために、定期的な塗装やメンテナンスは欠かせません。

「工場の暑さ対策をしたい」「設備を長持ちさせたいとお考えの方は、鬼澤塗装店へぜひお気軽にご相談ください。

著者情報

代表取締役 鬼澤 竜治

監修者

鬼澤 竜治 代表取締役

一級塗装技能士/外装劣化診断士/足場組立作業主任者/職長教育/安全衛生責任者/雨漏り診断士/ドローン操縦士/建築物石綿含有建材調査者講習

「鬼澤塗装店」代表の鬼澤竜治です。仙台市で地域密着型の塗装業務を行っており、創業70年以上の伝統を継承しています。父から受け継いだ「挨拶を大切に」「嘘をつかないこと」などの信念を胸に、誠実な施工をお約束します。私たちの経験と技術で、確かな塗装工事をご提供いたします。

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