2025.12.18.
【現地調査レポート】屋上防水と外壁の劣化症状を詳しく解説|宮城・仙台の大規模修繕は鬼澤塗装店へ

今回、宮城県内にある工場施設の現地調査に伺いました。
工場などの建物は設備量も多く、日常的に多くの人が出入りするため、建物の健全性は操業の安定にも直結します。
一般住宅とは違い、外装面積が非常に大きく、屋上も広いため、紫外線や風雨の影響を受けやすく劣化が進行しやすい特徴があります。
大規模修繕において、最初の「現地調査」は非常に重要な工程です。
建物全体の状態を細かく確認し、どの工法が最適か、どの程度の補修が必要か、
工場稼働への影響を最小限に抑えられる施工計画はどうあるべきかを判断するベースになります。
今回の調査では、屋上防水と外壁に複数の劣化症状が見られました。
本記事では、その内容を分かりやすくまとめてご紹介いたします。
目次

工場の屋上にはアスファルト防水が施工されており、広い面積の中でさまざまな劣化が確認されました。
屋上は建物の中でも最も雨・風・紫外線の影響を受けやすく、日々の環境負荷が積み重なることで防水層の劣化が進行します。
宮城・仙台エリアは冬場の凍結や季節風など気候変化が大きく、防水層への負担が高い地域でもあります。
工場特有の広い屋上では、水たまりや排水不良が起こりやすく、劣化の進み方が偏りやすい点も特徴です。
今回の調査でも複数の劣化症状が同時に見られましたので、以下で代表的なポイントを順に解説します。
防水層の色褪せ(退色)
雨、風、紫外線などの影響により、防水面が色褪せていました。
色褪せは初期劣化ですが、そのまま放置すると防水層の乾燥が進み、
ひび割れ発生のリスクが高まります。

雨水の滞留(水たまり)
屋上の数カ所で雨水の滞留跡が見られました。
勾配不良や凹凸、ドレン詰まりなどが原因で、水が抜け切らず残ってしまう症状です。
水たまりがあると、そこから防水層が劣化しやすくなり、膨れや剥がれの原因にもなります。
特に工場のように屋上面積が広い建物では、放置すると劣化が急速に進行することがあります。

ジョイント部のクラック
シート同士が重なっているジョイントの部分が、紫外線などの経年劣化で硬くなり
クラックが生じていました。
継ぎ目は温度変化や建物の動きの影響を受けやすく、劣化が進行しやすい部分です。
このようなクラックから雨水が侵入しやすくなるため、早期の補修が必要です。

ドレンの詰まり
排水口であるドレンには、落ち葉や砂、粉じんが溜まりやすく
今回の調査でも泥などが滞留していました。
ドレンが詰まると排水ができず、水たまりが増え、防水層の劣化につながります。
定期的な清掃や保護金物の設置などの対策が必要です。

立ち上がり部の膨れ
屋上の立ち上がり部分では、防水シートの膨れが確認されました。
下地に湿気がたまることで膨れが生じるケースが多く、内部の劣化が進んでいる可能性もあります。

笠木のクラック
屋上の笠木の表面にクラックが確認されました。
クラック部分から雨水が浸入すると、内部の下地や防水層へ影響が及ぶため、補修が必要なポイントです。



今回の工場建物では、外壁がモルタル仕上げであることから、経年によるさまざまな劣化が確認されました。
モルタルは強度が高い一方で、温度差や乾燥収縮の影響を受けやすく、ひび割れや塗膜の劣化が表れやすい素材です。
宮城・仙台エリアは湿気や寒暖差、冬場の凍結など気候の変化が大きく、外壁の劣化が進みやすい環境でもあります。
工場の場合、粉じんや排気の影響も加わり、汚れの付着や雨だれ跡が顕著になりやすい点も特徴です。
今回の調査でも外壁全体に複数の劣化症状が見られましたので、以下で代表的なポイントを順にご紹介します。
塗膜の退色
日射や風雨の影響により、外壁全体で塗膜の退色が進んでいました。
モルタルは吸水性があるため、塗膜が弱くなると外壁が水分を含みやすくなり、
結果的に劣化の進行を早めることにつながります。
退色は外壁塗装の寿命サインであり、建物全体の印象にも大きく影響します。

雨だれ・汚れの付着
換気口・窓まわり・凹凸部分では黒い雨だれ跡が見られることがあります。
モルタル外壁は表面が微細な凹凸を持つため汚れが付着しやすく、
特に工場環境では粉じんや排気による汚れが蓄積しやすい傾向があります。
黒筋状の雨だれ跡は美観を損ねるポイントでもあります。

クラック(ひび割れ)
モルタル外壁で最も多く見られる劣化がクラックです。
今回の建物でも、外壁全体にヘアクラック(細いひび割れ)が点在していました。
モルタルは温度差や乾燥収縮の影響でひび割れが起こりやすく、
微細なクラックでも雨水が入り込むことで下地に影響が及ぶ可能性があります。
また、外壁の一部では線状に長く続くクラックも確認され、
部分的に構造の動きが反映されている箇所も見受けられました。

塗膜の剥がれ・膨れ、素地の露出
モルタル外壁では、塗膜が劣化して密着力が弱まると、膨れや剥がれが生じやすくなります。
今回は、表面の膨れに加えて、部分的に塗膜が剥がれ落ちてモルタル素地が露出している箇所が
確認されました。
素地が露出した状態は吸水リスクが高く、
冬場の凍結によるひび割れ(凍害)につながる可能性もあります。
仙台の冬は凍結・融解が繰り返されるため、早めの対処が必要な症状です。



今回の現地調査では、屋上・外壁ともに経年劣化が着実に進んでいることが確認されました。
屋上では、防水層の色褪せやジョイント部のクラック、雨水の滞留、立ち上がり部の膨れなど、
宮城・仙台エリアの気候特有の影響を受けた劣化が複数見られました。
紫外線や積雪、寒暖差の大きい地域では、特に広い屋上をもつ工場などの建物で劣化が進みやすい傾向があります。
外壁についても退色や汚れの付着に加え、塗膜の剥がれや素地の露出など、美観と耐久性の両面で気になる症状が点在していました。
仙台市は湿気や風の影響を受けやすく、金属部分の劣化が進みやすい環境でもあるため、今後の状態悪化を防ぐためにも早めの対策が望ましい状況です。
総合的にみると、今回の工場建物は「大規模修繕を検討すべき時期」に差し掛かっています。
宮城・仙台の環境に合わせて適切な修繕計画を立てることで、建物の寿命を大きく延ばすことができます。

工場は設備や人の出入りが多く、建物の健全性は事業運営に直結します。
屋上防水や外壁の劣化は、早めに気づくことで大きなトラブルを未然に防ぐことができます。
建物を長く安心して使い続けるためには、定期点検と適切なメンテナンスが不可欠です。
鬼澤塗装店では、仙台市内の工場・倉庫・事務所・アパート・マンションなど、
さまざまな建物の調査から修繕計画まで対応しています。
建物診断からお見積りまで無料で承っておりますので、気になる症状がございましたらお気軽にご相談ください。
こちらの工場は来年1月から大規模修繕工事がスタートいたします。
工事内容の様子も随時ブログにアップしていくのでぜひチェックしてみてください!
