2025.08.22.
仙台の工場で雨漏り調査を実施しました!~調査方法と見つかった劣化症状~
工場の雨漏りは、屋根や外壁の劣化が原因となることが多く、放置すると設備や製品への影響にもつながりかねません。
特に仙台や宮城県は冬場の積雪や凍結、夏の豪雨や台風といった気候の影響を大きくうける地域です。そのため、建物にかかる負担が増え屋根や外壁の劣化が進みやすい環境にあります。
雨漏りを発見した際には、正確な調査によって原因を特定し、適切な修繕方法を検討することがとても大切です。
本日は仙台市内の工場にて、雨漏り調査を実施した事例をご紹介いたします。
今回の調査では、実際に水をかけて漏水を再現する「散水調査」と温度変化を可視化できる「サーモグラフィー調査」を組み合わせて、雨漏りの経路を詳しく確認しました。
現場の写真や調査結果も交えてわかりやすく解説いたしますので、ご参考になれば幸いです。
工場は住宅やアパートとは異なり、広い屋根面積や金属素材を使用していることが多いため、風雨や気温変化の影響を大きく受けます。さらに屋根の勾配が緩やかな構造が多いため、水はけが悪く、雨水が滞留しやすいことも特徴です。これがシーリングやボルト周りの劣化を早め、雨漏りの原因となるケースが多く見られます。
また、工場内では大型機械の稼働による振動や熱の影響も無視できません。建物に常に負荷がかかることでシーリングや接合部の緩みが発生し、住宅やオフィスビルよりも雨漏りが生じやすい環境が整ってしまいます。
こうした背景から、工場の雨漏りは単なる建物の劣化ではなく、立地条件・気候・構造・使用環境が重なり合って発生する複合的な問題といえます。雨漏りは生産ラインの停止や製品の品質リスクに直結するため、早めの調査と対策が欠かせません。
最初に実施したのは「散水調査」です。
これは実際に屋根や外壁の疑わしい箇所に水をかけ、雨と同じ状況を人工的に作り出して建物内部に浸水が見られるかを確認する方法です。
調査では、シーリング部分の劣化が著しいため散水を行いました。その結果、シーリングの隙間から水が浸入し、時間をかけて工場内に水滴として現れる状況を確認しました。
続いて使用したのが「サーモグラフィー調査」です。
建物内部の壁面や天井を赤外線カメラで撮影し、温度差を色の違いとして可視化することで、水分が含まれている箇所を特定することができます。
散水調査で水をかけた後、該当箇所をサーモグラフィーで確認すると、雨漏り箇所に一致する部分が青く低温を示し、浸水経路を特定することができました。
この調査は目視では分からない内部の水分の広がりまで把握できるため、再発防止に向けた的確な修繕計画に役立ちます。
散水とサーモグラフィーを組み合わせて行った、今回の調査ではいくつかの明確な劣化症状が見受けられました。特に顕著だったのは、シーリング材の劣化によって隙間が生じそこから雨水が入り込んでいた点です。外部からの浸水が内部まで到達し、雨漏りとなって表れていることが確認できました。この点については、前述の散水試験の結果からも確認されたとおりです。
加えて、建物の鉄扉部分では腐食による穴あきが発生しており、そこからも雨水が侵入していることが判明しました。鉄部は気候の影響を直接受けやすく、長期間の使用によりサビなどの症状が進行しやすいため、今回のように腐食穴が雨漏りの一因となるケースもあります。
工場で発生する雨漏りは、単に「水が垂れる」という現象にとどまらず建物や稼働環境に深刻な影響を及ぼします。今回の調査では、シーリング材の劣化による隙間や鉄扉の腐食による穴あきから雨水が侵入し、内部へ到達していることが確認されました。これらはいずれも防水機能が低下した典型的な症状であり、放置すれば被害が拡大していく可能性もあります。
実際に雨漏りが進行すると、次のような問題が起こりやすくなります。
・建物の性能や美観の低下
・生産活動への影響
・管理コストの増加
このようなリスクを未然に防ぐためには、早期調査・早期対応が欠かせません。特に今回実施したように散水調査で雨漏りの再現を行い、サーモグラフィー調査で内部への水分の広がりを確認することで、目視では見えない部分まで原因を正確に把握することができます。これにより無駄のない修繕計画を立てることが可能となり、工場の稼働を守る確実な対策に繋がります。
今回ご紹介したように、仙台市内の工場にて雨漏り調査を実施し、散水とサーモグラフィーを組み合わせることで、原因を正確に特定することができました。工場の雨漏りは建物の不具合にとどまらず、生産活動そのものに大きな影響を及ぼすため、症状が軽いうちに調査を行い、適切な対策を検討することが非常に重要です。
鬼澤塗装店では、仙台市を中心に宮城県全域で、工場や倉庫をはじめとした雨漏り調査・修繕工事を承っております。特に、雨漏り診断士の資格を保有するスタッフが在籍しており、専門的な知識と豊富な経験を活かして原因を丁寧に突き止め、再発を防ぐご提案を行っています。
「最近、工場内の天井にシミが出てきた」「大雨のときに水が落ちてくる」「長年点検をしていないので不安」など、少しでも気になる症状がありましたら、お早めにご相談ください。早期の調査・対応が工場の稼働を守り、将来的なコスト削減にもつながります。私たち鬼澤塗装店が、仙台・宮城での安心の工場維持管理をサポートいたします。