2025.09.16.
【宮城・仙台の大規模修繕】外壁のひび割れを放置するとどうなる?適切な修繕方法を解説!
マンションやアパートを所有されているオーナーの皆様、建物の定期的なメンテナンス、特に大規模修繕についてお考えでしょうか?
大規模修繕は、建物の美観を保つだけでなく、入居者の皆様の安全と、何より大切な資産価値を守るための重要な投資です。特に、見落とされがちなのが外壁のひび割れです。
一見すると些細なひび割れでも、放置すると建物の劣化を加速させ、将来的に莫大な修繕費用や、入居率の低下といった深刻な問題につながる可能性があります。
今回は、外壁のひび割れ補修の重要性と放置するリスク、そして種類ごとの適切な対処法について詳しく解説します。
目次
日常の気象条件や立地環境、さらには建物自体の構造的な要因などが重なり合い、時間の経過とともに少しずつ症状が現れてきます。仙台のように寒暖差や地震が多い地域では特に、外壁のひび割れが避けられないケースも多く見られます。
主な原因は以下の通りです。
1.建物の構造的な動き
- 不同沈下
地盤が均等に沈まず、建物の一部だけが沈下することでひび割れが発生します。
- 地震や風による揺れ
宮城・仙台は地震が多い地域です。繰り返される揺れが、構造材に負荷をかけひび割れにつながることがあります。
2.気温や湿度の変化
- 熱膨張・収縮
外壁材は気温の変化によって膨張したり収縮したりします。この繰り返しが、ひび割れを引き起こします。
- 凍害
外壁に染み込んだ水分が凍結・膨張することで、ひび割れが大きくなることがあります。特に冬の寒さが厳しい宮城・仙台では注意が必要です。
3.劣化と経年変化
- 塗膜の劣化
外壁を保護している塗料は、紫外線や雨風によって劣化します。塗膜が弾力性を失うと、ひび割れが発生しやすくなります。
- コンクリートの中性化
コンクリートが空気中の二酸化炭素と反応してアルカリ性を失う現象です。中性化が進むと、コンクリート内部の鉄筋が錆びやすくなり、膨張してひび割れを引き起こします。
「小さいから問題ない」と思いがちな外壁のひび割れですが、建物の健康を考える上では見過ごせないポイントです。外見上は軽微に見えても、その奥で確実に劣化は進んでいる場合があり、早めの対応が将来の安心に直結します。
特に宮城・仙台の気候では、雨水や雪解け水がひび割れから浸入することで、内部構造へ深刻な影響を与えるケースが少なくありません。
1.雨水の浸入と内部構造の腐食
ひび割れは、雨水の侵入経路となります。侵入した雨水は、外壁の内側にある断熱材や木材を腐食させ、建物の耐久性を著しく低下させます。
コンクリート内部の鉄筋にまで水が到達すると、鉄筋が錆びて膨張し、コンクリートを内側から破壊する「爆裂現象」を引き起こすこともあります。これは大規模な修繕を必要とし、多額の費用がかかります。
2.建物の資産価値の低下
外壁に多数のひび割れが見られる建物は、第三者から見て「手入れが行き届いていない」「劣化が進んでいる」という印象を与えます。
将来的に売却を検討する場合、建物の劣化は査定額に大きく影響し、資産価値の低下を招きます。また、入居率の低下にもつながりかねません。
3.カビやコケの発生
ひび割れに溜まった水分は、カビやコケの温床となります。美観が損なわれるだけでなく、建物自体の劣化を早めることにもつながります。
ひと口に「ひび割れ」といっても、その種類や深さによって必要な修繕方法は大きく異なります。軽微なものは表面補修で十分ですが、構造に関わる深刻なクラックの場合は、専門的な補修工法が必要になります。
大規模修繕を行う際には、まず建物の診断を行い、ひび割れの状況を正確に把握することが不可欠です。
ひび割れは、主に「ヘアークラック」「構造クラック」の2種類に分けられます。
ヘアークラック(軽微なひび割れ)
特徴
幅が0.3mm以下、深さが4mm以下の比較的軽微なひび割れです。髪の毛のように細いことから、「ヘアークラック」と呼ばれます。
原因
塗膜の劣化や、表面のモルタルの乾燥収縮によって生じることが多いです。
大規模修繕での対処法
一般的には、高圧洗浄で汚れを落とした後、補修材やフィラー材を塗り込んでひび割れを埋めます。その後、新しい塗料を重ね塗りすることで、外壁全体の美観と防水性を回復させます。
構造クラック(重度なひび割れ)
特徴
幅が0.3mm以上、深さが4mm以上の比較的大きなひび割れです。建物の構造にまで影響している可能性が高いため、注意が必要です。
原因
不同沈下や構造的な揺れ、コンクリートの中性化などが考えられます。
大規模修繕での対処法
ひび割れの状況に応じて、複数の補修方法が検討されます。その中でも、ひび割れ部分を削って補修するカット工法がよく用いられます。
- Uカット工法
ひび割れに沿ってU字型に溝を削る方法です。主に幅の広いひび割れや、コンクリート・モルタル壁の補修に適用されます。深く溝を掘ることで、補修材をひび割れの奥までしっかりと充填し、水の浸入を防ぎます。
- Vカット工法
ひび割れに沿ってV字型に溝を削る方法です。主に比較的浅いひび割れや、サイディングボードなどの補修に適用されます。
- エポキシ樹脂注入工法
さらに、エポキシ樹脂を注入する場合には、専用の器具を用いて少しずつ加圧しながら注入していきます。これにより、ひび割れの内部奥深くまで樹脂が行き渡り、構造体を強固に一体化させることが可能です。樹脂が硬化することで強度と耐久性が回復し、今後の水の浸入や鉄筋の錆びを防ぐ効果も期待できます。
外壁ひび割れの修繕費用は、症状の種類や建物の規模によって大きく変わります。軽微なヘアークラックであれば数万円程度の補修で済む場合もありますが、鉄筋の爆裂現象を伴う深刻なクラックでは数十万円規模に及ぶこともあります。
実際の工事単価の一例としては、以下のようなものがあります。
RC外壁等の浮き補修・注入工事
RC部にエポキシ樹脂を低圧で注入する補修方法で、弊社では1㎡あたり 600円(税別)~ が目安です。コンクリート内部の劣化を抑え、ひび割れや浮きを効果的に補強することができます。
クラック擦り込み工事
モルタルや塗膜の表層に発生したクラックを補修材で埋め込む工法で、弊社では1mあたり 300円(税別)~ が目安です。比較的軽微なひび割れに対応でき、美観と防水性を回復させるのに適しています。
このように、補修の種類や施工範囲によって単価が異なるため、正確な費用を把握するためには専門家による現地調査が欠かせません。
また、マンションやアパート全体の大規模修繕では、足場を設置して外壁全体の補修や塗装を行うため、トータルでは 数百万円から数千万円規模 になるケースが一般的です。
費用を抑えるためには、
- 定期的な点検を実施し、劣化が軽微なうちに補修する
- 大規模修繕時にまとめて施工し、足場費用を削減する
- 複数社の見積もりを比較し、工事内容と金額を総合的に判断する
といった工夫が有効です。
大規模修繕は、単に建物の見た目をきれいにするだけではありません。それは、建物の安全と資産価値を守るための「健康診断」であり、適切な時期に適切なメンテナンスを行うことが非常に重要です。
外壁のひび割れは、放置すればするほど建物の寿命を縮め、将来的に莫大な修繕費用を必要とします。定期的な点検と、大規模修繕時のプロによる適切な補修によって、皆さんの大切な資産を長く、快適に保つことができます。
宮城・仙台で大規模修繕をご検討中のオーナー様は、複数の施工会社から相見積もりを取り、実績や対応を比較することをおすすめします。大切な資産を守るために、ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
鬼澤塗装店では建物の状態診断からお見積もりまで、無料で承っておりますので
外壁のひび割れなど補修工事を検討されているオーナー様は、ぜひ一度ご相談ください。